おまとめローン 本土市場、こう着感が強く、戻りは弱い?
13日(金)の上海総合指数は0.95%上昇、終値は2871.03ポイント。売買代金は103億元減少し、1039億元。モノのインターネット、貿易関連、証券、レアアースなどが上昇する一方、セメント、水利、航空、電力、建材などが下落した。
13日(金)から16日(月)にかけて発表された主なニュースは以下の通り。
・預金準備率を継続的に引き上げ、3年物の中央銀行手形を再び発行するなど、中国人民銀行は積極的にこうした金融政策手段を用いているが、それによって巨額なコストが発生している。記者による公開資料に基づいた試算によれば、2003年から2010年末に至るまでに、外貨流入により発生したコストは1兆830億6000万元に達する。2003年から中国人民銀行は中央銀行手形の発行を開始しており、金利を含め発行費用が発生している。また、2003年から現在に至るまで、預金準備金に対して金利が発生している。それらを合計するとここで示した金額となる。中国の為替制度は管理フロート制である。多額の外貨が中国国内に流入してくるが、中国人民銀行は市場介入を行い、人民元レートを安定化させるために、人民元に対する超過需要分について、人民元を放出して対応している。市中に過剰にあふれてしまう資金が原因でインフレが発生し、その過剰資金を吸収し不胎化するために、預金準備率を引き上げ、手形を発行する。こうしたメカニズムで、外貨流入によって多額のコストが発生する。(記者による分析記事)(第一財経日報)
・工業情報化部、財政部は、“2011年モノのインターネットを上手く発展させるための特別資金プロジェクト申請業務に関する通知”を発表した。高性能の各種センサー、RFID(電波による個体識別)や関連の通信技術、ソフトウェアなどの研究開発に対して、国務院は具体的な資金援助を行うことを明らかにした。国内の研究所の試算によれば2010年におけるモノのインターネット関連の市場規模は2000億元であるが、2015年には7500億元に達する模様。(投資快報)
・李克強国務院副総理は13日、国務院食品安全委員会が組織する専門の研究班結成式に出席し、食品安全法を厳格化する、取締り、政府管理、企業責任を強化するなどと述べた。(第一財経日報)
先週は、海外株式市場、国際商品先物市場の混乱、コンセンサスをやや上回るCPIの発表、預金準備率の引上げなど、株式市場にとってネガティブな材料が多かったにもかかわらず、底練り状態が続いた。見方によっては下値の堅さが確認された1週間であったともいえよう。本日の経済記事では、IMF専務理事の訴追の記事が大きく取り上げられている。組織上の混乱によって、欧州財務危機に対するIMFの対応が遅れることが懸念される。本土マーケットへの直接的な影響はないだろうが、世界経済への不安の高まりは決してポジティブな話ではない。こう着感を解消するような材料がなく、神経質な動きが続くと予想。(編集担当:田代尚機)